中村ケンゴ展「モダン・ジャパニーズ・ジャパニーズ=スタイル・ペインティング1994-2014」




中村ケンゴ展チラシ

チラシのダウンロード

(PDF 6.6MB)


中村ケンゴ展「モダン・ジャパニーズ・ジャパニーズ=スタイル・ペインティング1994-2014」

中村ケンゴ展
「モダン・ジャパニーズ・ジャパニーズ=スタイル・ペインティング1994-2014」 

同時展示「ななつおひろめ、めでて、めでたく」
〜掛川現代アートプロジェクトで誕生した7つの茶道具すべてを公開〜


開催期間|2015年1月4日(日)〜2月15日(日)
開館時間|午前9時から午後5時まで(入館は午後4時半まで)
休館日|月曜日(祝日開館)、祝日の翌日臨時休館日
観覧料|一般200円(160円) 小・中学生100円(80円)
セット券(美術館、掛川城天守閣・御殿)一般510円(400円)小・中学生200円(160円)
※( )内は20名以上の団体料金 ※土曜日は小・中学生無料 ※身体障がい者手帳・療育手帳・精神障がい者福祉手帳を所持する方とその介護者1名は無料 ※しずおか子育て優待カード利用可 ※キッズアートプロジェクトしずおかパスポート利用可
会 場|掛川市二の丸美術館 静岡県掛川市掛川1142番地の1(google map) 電話:0537-62-2061
> 美術館のウェブサイトへ


主 催|掛川市二の丸美術館
共 催|NPO法人 掛川の現代美術研究会
協 力|山口裕美/メグミオギタギャラリー/ターナー色彩株式会社



> ニュース
> 展覧会について
>「モダン・ジャパニーズ・ジャパニーズ=スタイル・ペインティング」とは
> 会期中イベント
> 同時展示『ななつおひろめ、めでて、めでたく』

 


ニュース

図録発売中
掛川市二の丸美術館までお問い合わせください。 (税込:1080円)

図録 図録




中村ケンゴ × 山口裕美(アートプロデューサー) トークショウ終了しました
トークショウ
1月18日、スペシャルゲストに平野雅彦さん(静岡大学 教育学部特任教授/人文社会科学部客員教授)を迎えて催されました。


会期中限定CANバッジ発売中!
缶バッジ
中村ケンゴ展会期中限定CANバッジ「スピーチバルーン・イン・ザ・ヒノマル」 1個100円(税込!)で発売中です。
また、富士山の世界遺産登録を祝って催された「現代アートde富士山提灯行列」にて使われた中村ケンゴデザインの提灯(800円 税込)と、オリジナル手拭い(1000円 税込)も販売しています。提灯と手拭いのセットで1500円(税込)です。




 

展覧会について

 掛川市二の丸美術館では、NPO法人 掛川の現代美術研究会とアーティストがコラボレーションして、茶道具をひとつひとつ揃えていく「掛川現代アートプロジェクト」に2008年に参加し、棗 <スピーチバルーン・イン・ザ・ヒノマル>を制作した現代美術作家、中村ケンゴの個展を開催します。

 中村ケンゴ(1969年〜)は、多摩美術大学で日本画を学び、1995年に同大学院を修了しました。中村は、Eメールで使われる顔文字、ワンルームマンションの間取り図、マンガの吹き出しやキャラクターのシルエットなど、現代社会を表象するモチーフを用いたユニークな絵画を制作しています。

 「モダン・ジャパニーズ・ジャパニーズ=スタイル・ペインティング」という不可思議な個展タイトルは、中村が知人の学芸員から聞いた、ヨーロッパで「洋画」の展覧会を開催するさいに、「洋画」の概念をどのように英訳するか難渋したという逸話から発想されました。つまり、「日本画」の概念成立を踏まえつつ正確に英訳すると、"modern Japanese Japanese-style painting" となるのではないか、ということです。このタイトルが表すとおり、日本画の技法で描かれる中村の作品は、近代になって生まれた「日本画」の概念を相対化する仕事でもあります。

 中村は絵画制作だけでなく、他ジャンルのクリエイターとのコラボレーションのほか、展覧会、シンポジウムなどの企画運営を手掛けるなど、現代を代表する美術作家のひとりとして国内外で活躍の場を広げています。今回の個展では、2014年にデビュー20周年を迎えた氏の作品を、シリーズごとにまとめて見ることができる貴重な機会となるでしょう。

 また、中村ケンゴ展に合わせて、「掛川現代アートプロジェクト」にて制作された7つすべての茶道具を、「ななつおひろめ、めでて、めでたく」展として、第一展示室にて一堂に展示します。




 

「モダン・ジャパニーズ・ジャパニーズ=スタイル・ペインティング」とは

 今回の中村ケンゴ展のタイトルに使われている、この不思議な言葉には、どのような意味があるのでしょうか。じつは、これは、「日本画」という概念を英訳したものなのです。ただし、なぜこのような表現になるのか、少々説明が必要です。

 「日本画」は、「Japanese painting」と直訳することができません。なぜなら、日本で制作されている絵画は、日本画だけではないからです。「日本画」という言葉が使われるようになったのは、明治時代の初頭に、西洋絵画の技法を導入した「洋画」というジャンルが生まれたため、それとは異なる日本の伝統的な絵画の様式が意識されたときでした。ですから、「洋画」も「日本画」も日本で制作された絵画(Japanese painting)であり、そのなかで「洋画」は「Western-style painting」(西洋式絵画)、「日本画」 は「Japanese-style painting」(日本式絵画)と訳す必要があります。そして、「洋画」は日本で展開された西洋式絵画ですから、「Japanese Western-style painting」と、限定的な形容詞が必要です。では、「日本画」は、「Japanese Japanese-style painting」なのでしょうか? 回りくどく奇妙な響きですが、考えてみると、この表現は日本画の入り組んだ認識構造を可視化しているようです。日本画は、日本人自らが意識的に制作した日本式絵画だったのです。また、「洋画」と「日本画」は、日本の近代という時代が生み出した絵画のジャンルです。江戸時代にも「洋風画」はありましたが、これらは「洋画」とは呼ばれません。したがって、「洋画」の意味を正しく伝えるには、「modern Japanese Western-style painting」と、さらに限定的な形容詞が必要になります。そして、「日本画」という概念が生まれたのも近代であり、その代表的な画家たちは、積極的に西洋絵画の技法を取り入れた革新的な人たちでもありました。日本画は、「modern Japanese Japanese-style painting」なのです。

 これを、そのままカタカナ表記してしまったのが、今回の中村ケンゴ展のタイトルです。「日本画」という概念の背後にある歴史的・文化的な文脈を英語という他者の視線で可視化した表現は、中村が自らの制作活動においてもっている問題意識を表しています。そして、それを再度、現代日本風に「和訳」した、謎かけのようなカタカナ言葉の連なりは、そこで中村が展開する継承と変容の両方を示唆していると思われます。


川仁 央(近現代美術史)



 

会期中イベント

中村ケンゴ展 会期中イベント」

ギャラリートーク 中村ケンゴ×山口裕美
1月18日(日)13:00 美術館エントランス|参加料200円(観覧料込)

掛川の現代美術研究会によるガイドツアー
2月1日(日)10:00〜,13:30〜|参加料1200円(観覧料込)
※詳しくは掛川の現代美術研究会サイトをご覧下さい。

中村ケンゴによるガイドツアー&トークショー
2月7日(土)13:00〜 2月8日(日)10:00〜,13:00〜|参加料2000円(観覧料込)
※詳しくは掛川の現代美術研究会サイトをご覧下さい。

助 成|文化庁 平成26年度地域と共働した美術館・歴史博物館創造活動支援事業




 

同時展示『ななつおひろめ、めでて、めでたく』
〜掛川現代アートプロジェクトで誕生した7つの茶道具すべてを公開〜


 ついに、めでたいお披露目の日。今をときめく現代アーティストの手になる茶道具を、今回、初めて一堂に展示します。
 掛川現代アートプロジェクトとは、掛川を愛するNPO法人掛川の現代美術研究会が、アートプロデューサーの山口裕美さんに依頼し、掛川の将来の宝を作るべく挑戦したプロジェクトで、「夜の美術館と現代アート茶会」として、2007年から昨年まで7回開催されました。ミヤケマイ、名和晃平ほか、毎年、選ばれたアーティストが1年かけて茶道具をひとつ制作し、実際に茶会でお披露目し、伝統文化であるお茶と現代美術の出会いを演出しながら、道具という「形」を残してきました。山口裕美さんが掛川に縁をつないだ、今日のアートシーンを語る時に欠かせない現代アーティストたちの残したその「形」は、7つまで揃えることができました。
 歴史の町掛川で、新しいアート、未来のお宝の目撃者になりませんか?


茶道具



> 最新ニュース
> 展覧会について
>「モダン・ジャパニーズ・ジャパニーズ=スタイル・ペインティング」とは
> 会期中イベント
> 同時展示『ななつおひろめ、めでて、めでたく』





このページの先頭へ



掛川市二の丸美術館中村ケンゴドットコム